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技術も熱意もハイパワー、白熱のロボコン「WRO Japan 2016」

 WRO Japanは9月18日、東京都江東区のBumB東京スポーツ文化館で「第13回WRO Japan決勝大会」(WRO Japan 2016)を開催。11月にインド・ニューデリーで開催される国際大会に進出する優秀チームが決定した。

 「WRO」(World Robot Olympiad)は、子どもたちが自律型ロボットを作成し、プログラムにより自動制御する技術を競うコンテストだ。2004年に、シンガポール国立サイエンス・センターの発案によりスタートし、50近い国・地域が参加している。ロボットや組込みシステムに対する子どもたちの興味・意欲向上、人材育成を目的に、科学技術振興財団(科学技術館)が協力し、日本も第1回大会から参加している。

 WRO Japan 2016大会は、小学生、中学生、高校生が参加可能。競技としてロボットの性能を競い合う「レギュラーカテゴリー」と、指定されたテーマについて自由にロボットを組み立て、審判にプレゼンテーションする「オープンカテゴリー」が用意されている。オープンカテゴリーの2016年テーマは、廃棄物を削減・管理しリサイクルするロボットを作成する「Rap the Scrap」。

 「レギュラーカテゴリー」は、初学者向けで比較的単純なルールの「ミドル競技」(小・中・高で同一ルール)と、小・中・高で異なる難易度の「エキスパート競技」に分かれている。チーム構成は2名以上で、コーチとなる大人1名も必須だ。

 競技は基本的に、卓球台ほどのサイズの卓上でロボットを自動制御し、特定カラーのブロックを移動させたり、置き換えたりする内容が中心。光センサーやジャイロセンサーを駆使して、色やルートを判別しブロックを持ち上げる必要がある。また、ブロックを的確な場所に的確な順で置くアルゴリズムの工夫も要求される。そして、ロボットは動き始めたら触ることができない。会場の明るさ、温度などが影響する可能性もある。

 ロボットは、市販ロボットキット「レゴマインドストーム」(EV3、NXTなど)を使用するため、事前組立てが可能になり参加しやすい。どういった操作をロボットにさせるかを明記した大会ルールも事前に公開されているので、それに合わせたロボット組立てが可能だ。しかし、エキスパート競技では当日に「サプライズ・ルール」が追加発表されるため、ロボット作成の地力や対応力も試されるだろう。

◆熱気で溢れる大会会場、ルーキーの姿も

 WRO Japan 2016大会には、全国34の予選会を経て、222チーム、合計800名近い子どもたちが参加。その技術力を競い合った。大会規模としては非常に大きいし、保護者も応援に駆けつけるため、フィールドは超満員。これに審判も加わるので、その熱気は凄まじい。歓声は飛ばないが、それだけに視線をひしひしと感じる。児童たちはノートパソコンを持ち込んでおり、全席でそれを活用しリアルタイムプログラミングを行っているので、その熱もあるだろう。

 参加チームは、過去何度もWROに参加している、いわゆる“強豪”が多いが、もちろんルーキーもいる。参加児童に聞いてみると「思っていたようにいかなかった」という声もあがった。

 競技台はミドル競技が6台、エキスパート競技が小2中2高3の計7台、総計13台が用意され、タイムテーブルに合わせ並列進行で行われる。競技は2回で、間に20分の調整が可能。調整タイムに入った瞬間、子どもたちがピットからロボットを持ち帰るために走り出すようすは圧巻だ。当日まで綿密に準備していても、さらなる調整が必要だったり、タイム向上を目指したり―。その理由はさまざまだが、何百人もの子どもが真剣な眼差しで取り組んでいる。

◆ニコ生やTwitterで生中継、大人の想像を凌駕する発想と行動

 オープンカテゴリーは、競技ではなく展示形式だが、観覧者も多い。2016年のテーマ「Rap the Scrap」は“エコ”をイメージさせるテーマだが、その解釈は千差万別。「お掃除をするロボット」というのは、素人である記者でも想像できるが、「ゴミをセンサーで判別し人形が踊り出すロボット」「ペットボトルを分解し、エコタワシを作成するロボット」など、度肝を抜くようなロボットも展示されていた(しかも、それはレゴでの自作!)。

 また、子どもたちへの聞き取りで驚いたのは、自分たち自身で、リアルタイムにニコ生やTwitterを使って情報発信を同時に行っていた点。「大人に用意された大会に参加し、課題をこなす」という旧来の受け身の参加姿勢ではなく、「自分たちでもイベント側として情報を発信し、さらに参加者を呼び込む」ということを、意識して行っていることには驚嘆させられた。

 もちろん、こうした子どもたちのアクションを支えている のは、応援している保護者、さらには開催者である大人だ。競技においては、複数人の審判も必要だし、プレゼンテーションでも4名ほどの審判が審査を行う。これらの協力者は、企業や大学のボランティアだが、その人数も、目視で100名は超えている。こうした大人たちが子どもを応援し、子どもたちが存分に力量を振るおうとしている風景は、胸が熱くなるモノがある。

 渡辺登大会実行委員長によれば、ボランティアは「“後輩”の育成のため」という思いで尽力しているとのこと。なかには神奈川工科大学の学生のように、自分たちも17~25歳以下を対象にした「アドバンスド・ロボティクス・チャレンジ」に同時参加しつつ、前夜の会場設置を手伝っているボランティアもいたという。

 こうした支援もあり、大会はつつがなく終了。審査は白熱し、発表は定刻より遅れたが、世界大会に進出するチームを含め、全優秀賞が決定した。オープンカテゴリーのみ、「動作しないロボットも多かった」との理由から、該当作はなし。結果は、末尾に記載のとおりだ(発表順)。

 国際大会まで、あと2か月。インドの暑さに負けない、日本選手の熱い活躍に期待したい。

【WRO Japan 2016大会 表彰チーム】
■レギュラーカテゴリー/エキスパート競技プレゼン部門/最優秀賞
 小学生 ロボッターMHK(群馬県桐生市立広沢小学校、群馬県太田市立薮塚本町小学校)
 中学生 MRT Japan(滝中学校、江南市立西部中学校、名古屋市立千鳥丘中学校)
 高校生 T-trinity(帝塚山高等学校)

■レギュラーカテゴリー/エキスパート競技/優勝
 小学生 3Πr(大阪市立平野西小学校、大阪市立喜連東小学校)
 中学生 帝塚山Drei Licht(帝塚山中学校)
 高校生 T-trinity(帝塚山高等学校)

■レギュラーカテゴリー/エキスパート競技/審査員特別賞
 小学生 ミラクルロボ(名古屋市立汐路小学校、各務原私立鵜沼第一小学校、名古屋市立弥富小学校)
 中学生 ロボターズII(新発田市立猿橋中学校)
 高校生 質実GO健(宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校)

■レギュラーカテゴリー/ミドル競技/優勝
 小学生 water(伊東市立東小学校、沼津市立沢田小学校)
 中学生 大館S.Y Motors(北陽中学校、第一中学校)
 高校生 team STY(奈良県立畝傍高等学校)

■オープンカテゴリー/優秀賞
 福岡県立香椎工業高等学校(福岡県立香椎工業高等学校)
 Mountain SKY(玉川学園高等部)
 norn(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)
 追手門Forest Challenger(追手門学院大手前中学校)

【国際大会進出チーム】
■オープンカテゴリー
 福岡県立香椎工業高等学校(福岡県立香椎工業高等学校)
 Mountain SKY(玉川学園高等部)
 norn(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)
 追手門Forest Challenger(追手門学院大手前中学校)

■レギュラーカテゴリー/小学生
 3Πr(大阪市立平野西小学校、大阪市立喜連東小学校)
 サンダーバード555(高岡市立博労小学校、富山市立鵜坂小学校)
 スピードロボIII(新発田市立東豊小学校、新発田市立加治川小学校、田上町立田上小学校)

■レギュラーカテゴリー/中学生
 帝塚山Drei Licht(帝塚山中学校)
 チーム真剣(GACHI)(京都市立烏丸中学校、洛星中学校、宇治市立黄檗中学校)

■レギュラーカテゴリー/高校生
 T-trinity(帝塚山高等学校)
 サンダーバード59号(富山県立富山中部高校、国立富山高専)
 YTHS ORANGE V(愛媛県立八幡浜工業高等学校)
提供元:リセマム

技術も熱意もハイパワー、白熱のロボコン「WRO Japan 2016」
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