無料BS放送局のBS12 トゥエルビは、年末特別番組として映画『東京オリンピック』と撮影の舞台裏に迫るミニドキュメンタリー番組を12月31日に放送する。

1965年に公開された市川崑監督作品の映画『東京オリンピック』は、1964年に開催された東京オリンピックの全貌を収めた記録映画だ。164名のカメラマンが当時最新鋭の望遠レンズを駆使して撮影。

選手たちの表情や鼓動を捉えるような演出、ドキュメンタリーでありながら現場では撮れないようなカットが挿入され、公開当時に“記録か芸術か”という論争を巻き起こした。

『東京オリンピック』放送に併せ、ミニドキュメンタリー番組『人間を撮る。カメラマン山口益夫、1964東京オリンピック撮影秘話』も放映する。

山口氏は31歳という若さで国立競技場のフィールド内で撮影し、貴重な瞬間を捉えた唯一のカメラマン。現在84才の山口氏が52年前に行われた東京オリンピックを回想するとともに、映画の思い出を語っている。

「カメラを持って5年目くらいの若さでよくやったなと思います。国体ならばとにかくオリンピックですからね。当時の日本を代表するようなベテランカメラマンが大勢いる中でどうして僕がグラウンドの真ん中で撮るカメラマンに抜擢されたのかはわかりませんが、大変貴重な経験になりました」と山口氏は振り返る。

「市川監督は撮影前に“これはレースの結果を撮影する映画ではない”と言っていたけれど、競技内容以上に選手たちの表情をより強調するカットが使われており、監督の意図をはっきりと感じました」とコメント。「いいショットを探して何度も編集して繋ぎ直して完成させたような感もあり、市川監督がいかに情熱をもってカットを選んでいたのかがわかります」と完成作を語った。

『人間を撮る。カメラマン山口益夫、1964東京オリンピック撮影秘話』は12月31日18時55分～19時、映画『東京オリンピック』は同日19時～22時、BS12 トゥエルビで無料放送。