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【東京2020とわたし】オリンピックで変わる働き方…若い世代が「やさしさの仮面」の裏に秘めるもの

現在の日本。2020年の日本。2020年以降の日本。その姿は、どう変貌を遂げるのでしょうか。

過去、東京大会が行われた1964年の東京オリンピックは、空襲で破壊された東京に、社会インフラの基盤を整える最大の機会でした。社会の様子は物理的な意味でも劇的に変化したのです。

新幹線や高速道路、空港などの交通インフラ、国立競技場に代表されるスポーツ施設などの「レガシー」が、その後の日本に及ぼした影響は非常に大きいものでした。



近年で言えば2008年に開催された北京オリンピック、2016年に開催されたリオオリンピックは、1964年東京オリンピックに近いレガシーが求められました。

しかし、2020年東京オリンピックで次の世代に残していく「レガシー」は、1964年に求められていたものと全く異なるでしょう。

オリンピックを機に「インフラを整備する」といった考え方はもちろんあるにせよ、成熟都市と化した現在の東京では、従来の「物質的レガシーを期待する」オリンピックから、新たな形を模索しなければなりません。

では、どんな形のレガシーが求められるのでしょうか。

主に考えられるのは「ハード」ではなく、「ソフト」面でのレガシーです。その中で、「人々の習慣や考え方が変化する」というのも、一つのレガシーとして捉えられます。

◆オリンピックが働き方を変える

ロンドンやリオの五輪についても詳しいリクルートワークス研究所労働政策センター長の中村天江(なかむらあきえ)さんは「2020年の東京オリンピックが人々の働き方を変える大きな契機になる」と語ります。

「少子高齢化が進み、オリンピック以降のビッグイベントは今のところ聞こえてこない2020年以降、今までの高度経済成長時代の慣性で持ちこたえていた社会の法則、パラダイムが『スイッチした』と国民が思うタイミングが2020年です」

リクルートワークス研究所主任研究員の中村天江さん

厚生労働省が行った平成28年(2016年)「就労条件総合調査」によると、平成27年1年間の年次有給休暇取得率は48.7%。政府が2020年までの目標とする有給休暇取得率70%との隔たりは依然として大きいものです。

「このところ長時間労働を是正しようという動きは進んでいますが、日本には連続で休みをとる文化が根付いていません。オリンピックを機に5~7日間などの連続休暇を取得する人が増えたり、企業にもボランティア休暇が浸透したりすると良いと思います。また、在宅勤務などのテレワーカーを増やす動きを企業がこれを機に導入するなど、働き方の見直しの大きな契機になるはずです(編集部注:このインタビューの後、総務省が五輪開会式の行われる7月24日をテレワークデーとし、テレワークを推進することを発表した)」

そして少子高齢化社会において、働き方が変わりゆく過程で必要なのは、「20代にスポットライトが当たること」だと提言します。

「高齢者の人もより働ける、社会参加しやすい世の中になることはもちろんですが、年金の負担をはじめ、若い世代にはより期待と責任がかかります」

(次のページ:必要なのは、せめて若者を「邪魔しない」こと)


◆必要なのは、せめて若者を「邪魔しない」こと

人材投資にかけるお金が国際的にも低いと言われている日本。「こんな社会で負担を負うくらいなら日本を出てやる」という若者がいることも事実です。

その中で、「いかに若い世代が持つ貴重なリソースと潜在力を、未来に繋げることに集中できるか」を考えなくてはいけないのだと中村さんは警鐘を鳴らします。

そのために上の世代に必要なのは『若い世代に何がしてやれるか』というアクションではないにしても、せめて若い世代を『邪魔しない』ことが大切と言います。

「これからの40、50歳は、明治維新があった時に若者をサポートした『勝海舟』のような存在になって欲しいという話も最近しましたね」

しかし、仮に「上の世代が邪魔をしなかった」としても、本当に若い世代は積極的に社会の流れを変えようとするのでしょうか。20、30代の取材陣は、中村さんの指摘には疑問符がつくと問いかけました。

「今の20代は、自分の仕事が身近な人や世の中のためになっているか、といった社会貢献的なことに価値をおく人が多いので、『自分が守りたい者』のためなら動くのではないでしょうか。ご両親の介護や、結婚して子どもができたとしたら、子育てや介護ができる柔軟な働き方があった方がいいと思うだろうし、目の前に困っている人がいたら助けるための仕組みを作ろうとか」

「若い世代は、やさしさや、やわらかさの中に秘めているものがあり、何かのタイミングで発露していくのではないでしょうか。オリンピックはそのひとつの起爆剤になりうると思います 。震災の後、人生観が変わったという人がいますが、大きな出来事があると自分の生き方や考え方を見直す機会になります。オリンピックにもその効果はあると思っています」

今の20代は損をしています。選挙構造を見ても票が少なく、民主主義のなかにありながら、希望とは違う方向に社会の意思決定が向きやすい。そうした状況の中で、「どこかで若い世代がイニシアチブを取らなきゃいけない」とします。

「ゆとり世代、悟り世代として『いい人』でいつづけられたのは環境がそれを許したからだと思います。しかし、そろそろまずい、と本気で思うはず。2020年はその変化点になるのではないでしょうか」

超高齢化、少子化。そして財政や医療を変えていかなければならないタイミングで、働き方や仕事、家族との関わり方など、日本の社会全体のあり方が変わる。2020年のオリンピックはその可能性を秘めています。

いまを生きる若者は、「自分たちの未来は自分たちで創るんだという前提でこれからの仕事をしていくことが大事」と最後に中村さんは呼びかけました。

#新連載【#東京2020 とわたし】#2020年 #レガシー を土台にしてどう生きるべきかhttps://t.co/2cBZGlwqj6 pic.twitter.com/Sc0AX5cjjb— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2017年4月19日

【東京2020とわたし】過去から学ぶ、新聞から読み解く東京1964 https://t.co/tBYzyn0fwfオリンピックをきっかけにして使われなくなっていった、「BG」という言葉がありました。 pic.twitter.com/RPTYcBJE14— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2017年4月21日

【東京2020とわたし】今も昔も、落し物が帰ってくる稀有な国、日本https://t.co/SbaMMziD7y#スポーツ #東京 #我々 #新聞 pic.twitter.com/Jp499mAKZB— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2017年4月24日
提供元:CycleStyle

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