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帰り道、よその家の台所から漂ってくる夕飯の匂い、雨が降る前の匂い、昔の恋人の匂い。日常生活のなかには、食べ物、環境臭、体臭などあらゆる匂いが混在しています。そしてその匂いを、私たちは産声を上げた瞬間から現在まで呼吸とともに感じ取っています。目には見えず、かたちをもたない匂い。記憶の奥底まで沈んでしまっていた思い出や感情を、瞬時にして掬い上げることができる匂い。
本展は、匂いを新しいメディアとして、アートと嗅覚の融合を試みるMaki Ueda(1974-)の美術館での初個展となります。匂い(嗅覚)だけを頼りに空間を動き回る、代表作《嗅覚のための迷路》のほか、最新作も展示します。 絵画や彫刻、映像など視覚的な要素をもつ作品が多数を占め、「視覚」による鑑賞が当たり前となっている今日。普段とはちがう「嗅覚」による鑑賞をお楽しみください。 本イベント提供者
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