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ブロックチェーンを自動車産業に活用するには…フロスト&サリバンジャパン 森本尚[インタビュー]

自動車産業において、ブロックチェーンはどのような利用価値があり、可能性があるのか。世界の動向に詳しいフロスト&サリバンジャパン モビリティ部門主席コンサルタントの森本尚氏に聞いた。


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サービス事例
---:ブロックチェーンを利用したソリューションとは、具体的にどのようなものでしょうか。

森本氏:一番分かりやすい例としては、スマートフォンを使うサービスですね。例えば認証の道具として、スマートフォンは保有率も高いので使いやすいですし、車載通信機器の普及を待つよりも早く、投資も小さくて済む。

いわゆる走る・曲がる・止まる以外の領域で、スマートフォンのアプリで、決済やコネクティビティーサービス、あるいはドライバー認証、ロック・アンロックをスマートフォンで行うといったものです。

将来的なサービス
---:将来的にはどのように発展していくのでしょうか。

森本氏:自動運転に活用する、という可能性があります。

自動運転車両が自律的に、周辺状況を認識してジャッジする状況、つまりそれぞれの車がいわゆる分散型のコンピューターのように、それぞれが脳みそを持ってふるまうということになると、それはもうブロックチェーンの1つの形です。インフラ側とも協調することになるとは思いますが。

---:V2VとV2Iの両方が必要ということですか。

森本氏:そうですね。地域によっては、交通環境がシンプルであったり、インフラを立てるのにすごくコストがかかるところもあるので、そういった場合は自律をメインに考えるということもあり得ると思います。

商用車の課題は明確
---:商用車はまた違ったブロックチェーンの活用事例があるそうですね。

森本氏:商用車については、抱えている課題がどの企業も似通っています。ドライバー不足やドライバーの管理、人件費と燃料代などコストの問題。これらは共通の課題なので、それを解決するためのソリューションは、むしろ乗用車よりは統一的に入ってくる可能性も高いし、もう実際入ってきています。

ほかにも、いわゆる片荷の問題があります。荷物を運んだ帰りに、空っぽで帰っているというケースですね。貨物を効率良く積みたい、コストを下げたいというニーズはみんな共通です。

---:そういった商用車の共通の課題に対して、ブロックチェーンがどのように利用されるのでしょうか。

森本氏:例えば貨物ブローカーという仕事があります。ここに荷物を送りたい人がいるので、このトラックはそこへ行きなさい、これだけ積みなさい、ここに運びなさい、といった貨物のやりとりを短時間で効率良く差配するブローカーです。こういったブローカーサービスは、一部ではかなり普及しているようです。

---:単にA地点からB地点を往復するのではなく、その間にいろいろ積んだり降ろしたりして効率を高めるということですか。

森本氏:そうですね。さらに、急いで運びたい場合は価格を上乗せするなど、価格もリアルタイムに変動させたりして、お互いのマッチングをするということです。

---:それは運送会社自身がやっているのですか。

森本氏:いえ、第三者です。運送会社が自らやる、というケースも今後は増えてくるかもしれませんが、そういった仕組みを作るには投資が必要なので、プラットフォームをもっている第三者がサービスとして提供しているのです。

---:では、そういうことを専門にやっている会社があるということですか。

森本氏:はい。そういった企業は、貨物ブローカーをするだけでなく、その技術をシェアカーに応用することができます。荷物を人、トラックをシェアカーに置き換えれば、やることは同じなので。このようにプラットフォームの領域を広げていく展開は、今後はよくあるケースだと思います。


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人とモノの移動の究極とは
---:タクシー会社や、あるいはUberがそういう技術を使ってもよさそうですね。

森本氏:そうですね。配車の依頼を待つだけでなく、どこにニーズがあるかを効率良く見つけて仕事を取っていくことができます。ニーズの先読みをして、空車をそちらに向かわせたり、もっとダイナミックに料金を変えることもできそうですね。

さらに今後、場合によっては人と荷物を一緒に運ぶという事例もあります。例えばヤマト運輸は「人貨混載(客貨混載)」を、いわゆる交通困難地域でやっています。

さらにブロックチェーンによって個人の認証ができるよ うになれば、この人は信用できる、荷物を確実に運んでもらえる、という裏付けを取ることができますので、これを個人のカーシェアに展開すれば、個人に荷物を運んでもらうという展開もあり得ます。

究極的にはそのように、人でも荷物でもあらゆる手段で分散的に移動ができる、そういった状況においてブロックチェーンは当たり前の技術として利用される、となる可能性もありますね。

---:確かに究極の姿だと思いますが、それを実現するためには、荷物を送りたい人、移動したい人、それを運ぶ人が、共通のプロトコルでアクセスできるプラットフォームが必要ですよね。

森本氏:そうですね。一気にそのようにはならないと思いますが、まずは個別の企業がそういうサービスを展開することから始まるのではないでしょうか。

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提供元:Response

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