「コンマ7mmで、これ以上細くしたら強度が足りませんし、6倍するとちょうど実車のスポークと同等の太さになります」
タミヤ 1/6 Honda アフリカツイン発売イベントにて、開発担当者の古谷隆久さんが、前後ホイールのクロススポークについて説明した。全長390mm、全幅158mm、全高255mm、タミヤ開発陣が満を持してリリースした『1/6 オートバイシリーズ Honda CRF1000L アフリカツイン』だ。 隅々に到るまで、細かいところをじっくり見回しても懲りに凝っていることがわかる。スポーク1本にしてもよくできている。古谷さんはこう言う。「組み立てる際も折れないように、弾性のある素材を使っています」。 そういう細かい部分の話を聞いていると、最初はボリューム感あふれるスタイル全体ばかりを見ていたが、こちらの視線もディテールを注視するようになってくるから面白い。 「リムとスポークが違う色なので、塗り分けしやすいように、まずリムを仕上げていただいて、実車と同じようにスポークを組んでいただけるようになっています」 たしかにリムとスポークは一体構造ではなく、わざわざ別パーツで構成されている。これなら塗り分けしやすく、複雑にクロスした繊細なスポークを忠実に再現できる。 さらに古谷さん、こだわりのポイントを次々と挙げていく。特徴的な2眼ヘッドライトについては「メッキとクリアパーツを組み合わせて奥行き感のある表情を作り上げています」とのこと。 フロントフォークはなんとインナーチューブとアウターチューブが金属製で、内部にスプリングを組み込み、金属製のシャフトを軸にストロークする。リアショックもまた金属シャフトとスプリングによって可動し、リンク部にはカラー部品も入っているからビスによって締め付けても、スムーズに動くのだ。 前後サスペンションともスプリングにこだわり、模型を置いたときに実車がそうであるように、わずかに沈み込むようなバネレートを選んだ。古谷さんは「プラスチックボディがゆえに車体が軽いので、再現するのが難しかったです」と振り返った。 フロントカウルのエンブレムなどにはメッキがかけられ、タイヤはトレッドパターンもリアルに彫刻された質感豊かな中空ゴム製。組み立てに関しては「金属シャフトやビス止めを多く採用して、確実な組み上がりと強度を確保しました」という。こういったタミヤ開発者らの妥協なきこだわりには、イベントに呼ばれた本田技術研究所二輪R&Dセンターのエンジニアらも感心するばかりの様子だった。
提供元:Response
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