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【ツール・ド・東北14】一歩ずつ進む復興、美しい景色を前に…ボランティア体験記(8)

第1エイドを出てすぐの上り坂、僕の目の前でクロスバイクに乗っている女性のチェーンが落ちたのが見えた。これは間違いなく走行管理ライダーの出番だと、すぐさま自転車を止めて駆け寄る。

チェーンはフロントのインナーギアの内側に落ちていて、手で引っ張っただけではなかなか出てこなかった。一瞬、本部に連絡パターンか? と思ったが、クランクを逆に回するとスルスルと出てきて事なきを得た。

それ以降はトラブルらしいトラブルにも遭遇せず、しばらく走り続けた。青空も広がり、海沿いのアップダウンのある道は景色もすばらしい。クルマも少なく、道路も整備されているところが多い。ツール・ド・東北がないときでも、また来て走ってみたいなと思わせる道だ。

と同時に、3年半前に繰り返し見たニュース映像とはまったく違う景色だなとも感じていた。例えば、走っていて倒壊した建物やガレキなどを目にすることはまったくなかった。僕が見落としていただけなのかもしれないし、170kmコースや220kmコースで通過する南三陸や気仙沼にはまだそういうものが残っていたかもしれない。

ただ、ときおり海岸沿いで大規模な堤防工事が行われているのが、ここで震災があったことを気づかせるぐらいだ。これは、この地域の復興が進んでいるということなのだろうか? そんな疑問を頭の隅に置きながら、僕はペダルを回し続けた。

途中の新北上大橋で60kmコースの参加者と分かれると、周りの自転車の数も半分ぐらいに減った。反対車線には早くも折り返し地点から戻ってきている人たちも見えてたので、手を振ったり、挨拶したりしながら進んでいく。

100kmコースの折り返し地点となる第3エイドの手前は、アップダウンのある道が続く。幸いこのあたりではメカトラには遭遇しなかったものの、自転車にしがみつくようにして坂を上っている人、降りて押している人の数も増えてきた。

僕が「大丈夫ですか?」「頑張ってください」と声をかけると、「ありがとうございます」「頑張ります!」と返してくれる。こうやってコミュニケーションをとりながら走れるのも、ボランティアの走行管理ライダーの楽しみだなと思えてきた。
提供元:CycleStyle

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